アルファベットアクロスティック:「縦読み」が「あいうえお」
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アルファベットアクロスティック あるふぁべっとあくろすてぃっく abecedarium

『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』2巻19-20ページ(たあたんちぇっく・ufotable・小笠原篤/メディアワークス 電撃コミックス)
  • まなび「聞いて!この前発見したんだけど
  • わたしたちって
  • あいうえお
  • まみむめも
  • なんだよ!」
  • まなび「まみやなみ!」(天宮学美)
  • みかん「なもりか!」(稲森光香)
  • むっちー「えはらつき!」(上原むつき)
  • めぇ「とうい!」(衛藤芽生)
  • もも「どりもは」(小鳥桃葉)
-『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』2巻19-20ページ(たあたんちぇっく・ufotable・小笠原篤/メディアワークス 電撃コミックス)
  • 定義重要度1
  • アルファベットアクロスティックは、「文」などの最初にある文字をつなげていくと、アルファベット順が浮き出てくるというレトリックです。

  • 効果

  • 効果1ことば遊びとなる

  • この「アルファベットアクロスティック」は、それ自体で「ことば遊び」になります。つまり、「アルファベットアクロスティック」を作ることが、1つの遊びとなることがあります。その場合には、だれかに対して特別に何かを示すためのものではないこともあります

  • 効果2フレーズを覚えやすくする

  • 旧約聖書の詩篇第109篇。そこではヘブライ語のアルファベット22文字が順に8詩行ずつ、計107詩行にわたって、ならんでいます。ヘブライ語のアルファベットは知らないので、証拠を見せることはできないのですが。ナゼこんなならべ方なのかというと。文の頭を「アルファベット順」にすることで、覚えやすくした。ということらしいです。
  • 使い方
  • 使い方1文などの最初の文字をならべると、アルファベット順になる

  • ふつうの「 アクロスティック」は、ことばの冒頭をつなぎあわせると、他のことばが浮かび上がってくるものでした。しかし、この「アルファベットアクロスティック」というレトリックでは、ことばの最初を順番に並べてみると「ABC・・・」が順番に登場します。
  • キーワード:アクロスティック、折句、折り句、縦読み
  • 使い方2文などの最初の文字をならべると、50音順になる

  • 上に書いたのが、正式な「アルファベットアクロスティック」なのですが。このサイトでは、日本語で書かれているコミックを扱っています。ですので、「アルファベット順」だけではなくて「あいうえお順」になっているものについても、とりあげていくことにします。
  • 使い方3文などの最初の文字をならべると、いろは順になる

  • さらに、日本語では。「50音順」だけではなく、「いろは順」を読みとることができるばあいも。この「アルファベットアクロスティック」に含めておきます
  • 使い方4文などの最初の文字をならべると、ZXY…の順になる

  • これは、あまりないのですが。たまに、「ZYX・・・」という逆の順番になって出てくるタイプもあります。
  • 注意

  • 注意1「アルファベットアクロスティック」というのは、このサイト独自のもの

  • この「アルファベットアクロスティック(abecedarium)」というレトリック用語について。私(サイト制作者)からの釈明を、このページの最後に書きました。具体的には、「アルファベットクロスティック」という用語は、私(サイト制作者)だというような内容です。なので、時間に余裕のある方は、そちらもご覧ください。
  • 例文を見る)
  • 引用は、『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』2巻から。

    西暦2035年の、とある高校でのおはなし。

    “まなび”(天宮学美)は、とある高校に転校生として新しくやってくる。そして転校してくるとすぐに、生徒会長になった。

    そんな“まなび”を生徒会長とする、生徒会のメンバー(+α)たち。
    それが、“みかん”(稲森光香)、“むっちー”(上原むつき)、“めぇーちゃん”(衛藤芽生)、“もも”(小鳥桃葉)。

    で。
    この5人の名前を見て、“まなび”はあることに気がついた。それが、引用のシーンです。
    • まなび「まみやなみ!」(天宮学美)
    • みかん「なもりか!」(稲森光香)
    • むっちー「えはらつき!」(上原むつき)
    • めぇ「とうい!」(衛藤芽生)
    • もも「どりもは」(小鳥桃葉)


    というように、5人の苗字の頭文字を並べると、「あいうえお」が出てくる。そして、5人の名前の頭文字を順番に見ると、「まみむめも」が登場する。といったわけです。

    そんなわけで、「アルファベットアクロスティック」ということになります。まあ、「アルファベット順」ではなくて「50音順」なのですが、そのへんは大目に見てください。
  • レトリックを深く知る

  • 深く知る1このサイト独自のネーミングが使われていることについての釈明
  • さて。
    ここから下に書かれていること。それは、このページで扱った“abecedarium”というレトリック用語に対する、私(サイト制作者)からの釈明です。

    で、釈明しなければならないところ。
    それは、このサイトでの“abecedarium”というレトリック用語の使い方が、少しふつうとは違うという点です。

    具体的には、つぎの2点です。
    • abecedariumを当てはめるときには、「詩」のばあいに限定しなかった。
    • abecedariumの日本語訳については、「アルファベットアクロスティック」にした。

    そのことについての釈明が、ここから下に、長々と書かれているわけです。

    でも。
    レトリックの研究者とか、そういった特別な人でなければ、気にする必要のないことだとは思います。

    ですので、ふつうの人は読み飛ばしてかまいません。

  • 深く知る2“abecedarium”を、「詩」のばあいに限定しなかった
  • 「abecedarium」というレトリック用語は、ふつう、「詩」について使います。

    たとえば、『(研究社)新英語学辞典』(大塚高信・中島文雄[監修]/研究社)から引用してみると、
    詩行,スタンザの冒頭にアルファベットを順次用いてゆく詩の形式はabecedariumといわれ,(以下略)

    と書かれています。

    他にも。例えば「Encyclopaedia Britannica」は、「abecedarium」について、
    詩(poem)もしくはスタンザ(stanza)の最初の文字

    、としています。
    「詩」に関することばを使わないで解説していたのは、「Silva Rhetoricae」の「abecedarian」くらいかな。

    …でも、このサイトでは「詩」でなくても、abecedariumに含めます。だって、コミックスに「詩」は出てこないでしょう。たぶん。

  • 深く知る3“abecedarium”を、「アルファベットアクロスティック」と勝手に命名
  • これは、ある意味で大問題です。なぜなら、私(サイト制作者)が「勝手に名前をつけた」のだから。

    同じようなレトリックについて「アルファベット・アクロス」と呼んでいる本があります。
    『図説ことばあそび遊辞苑』(荻生待也[編著]/遊子館)という本です。

    この「アルファベティック・アクロス」は例として、
    A Boy Called Dick, Ever Fighting,
    Got Hands-cuffed In Jail Kicking
    Lustily, Minding Nobody. Oh Pray,
    Quit Rebellion! Surely To Use Violence
    Won’t Xtricate You, Zacharry.

    というものがあげられています。

    そういったわけで、とりあえず「abecedarium」の日本語訳については、「アルファベットアクロスティック」にしておきます。
  • 余談

  • 余談1「むっちー」について
  • ところで。
    突然ですが、私(サイト制作者)は「むっちー好き」です。

    ですのでこのページは、「むっちー」のために作りました(笑)。このサイトに「むっちー」を登場させるべく、ありとあらゆる努力を…。

    その結果。
    このサイトは、「アルファベットアクロスティック(abecedarium)」というレトリック用語の使い方が、少しヘンです。

    というか、もともと「アルファベットアクロスティック(abecedarium)」なんてレトリック用語は、とてもマイナーです。そんなマイナーなレトリック用語が、このサイトに登場していること自体、「むっちー」のためなんですけれど。
  • レトリックの呼び方
  • 呼び方5
  • アルファベットアクロスティック
  • 呼び方2
  • アルファベット折句・アルファベットうた・ABC歌
  • 参考資料
  • ●『図説ことばあそび遊辞苑』(荻生待也[編著]/遊子館)
  • 「アルファベットアクロスティック」について書かれている珍しい本です。
  • ●『レトリック事典』(佐藤信夫[企画・構成]、佐々木健一[執筆担当]/大修館書店)
  • 《アルファベット折句》という日本語訳で、「abecedarium」が紹介されています。