『砂の神 空の人』表紙
-(唯登詩樹/集英社 ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)対照法・対句は、 対立した表現を使ってコントラストをつくるレトリックです。 つまり、文のカタチやことばが 対照となるような関係におくものです。
となりあう文の長さが、等しい
- 第1条件として、となりあっている文の長さが等しいことがあげられます。
- :長さが等しい
対比されることばに、関連がある
- 第2条件として、そこで向かい合って使われているそ れぞれのことばに、関連がある
- :対比
意味がおたがいに対になっている
- 第3条件として、意味が対になっていることがあげられます。これは「対照法・対句」をつくるときに必要とまでは言えません。ですが、こんにち日本語で「対句っぽいもの」をあげるとしたら、この第3条件が必要となります(漢詩を創るとか言うばあいには、必要とまではいえません)。
- :対
- 引用は、『砂の神 空の人』の表紙から。
この本のタイトルである
砂の神 空の人
という部分が、「対照法・対句」にあたります。
確認してみましょう。
まず、「砂の神」と「空の人」は、文章の形式が対比=対称になっています。
さらに「砂」と「空」は対立関係にあります。なぜなら、ここでいう「砂」は、舞台である「砂漠」を意味するため、「地面」と「空」という対照的な語句にあたります。また、「神」と「人」とは、完全な対義語とはいえませんが、対照的な語句といっていいでしょう。
したがって、これは「対照法・対句」にあたります。
もっときれいな「対照法・対句」の例をあげれば、『封神演技』(藤崎竜/ジャンプコミックス)1巻の冒頭(9ページ) にある、
仙人は天空に住まい
人間は地上に住まう
というのが、より典型的な「対照法・対句」といえます。
この『封神演技』から引用して、「対照法・対句」の例文と して画像にしなかったワケは、この言葉で使われている文字の大きさが小さすぎためです。上で引用した『封神演技』の「対照法・対句」が書かれている文字の大きさは、「10級」= 「2.5ミリ」にも満たない大きさです。これはキャプションなどに使う文字の大きさです。 本文で使っている文字ならば、少なくとも「12級」=「3ミリ」くらいで書いて欲しいで す。「10級」くらいの大きさ なので、これを画像にしたときに、文字が読みとれなくなると判断しました。そのため、画像として引用はしませんでした。