「疑惑法」の英語名としてつけた「aporia(アポリア)」という用語。これについては、ちょっと書いておかなければならないことがあります。
たとえば『広辞苑』(岩波書店)を見ると、「アポリア」について、このように説明しています。
[哲]アリストテレスの哲学では、ある問題について論理的に同じように成り立つ対立した見解に当面すること。
一般に、解決できない難問。
しかしながら。
今、このページで紹介してしている「aporia(アポリア)」という英語名をつけた「疑惑法」というレトリック用語は、この2つのいずれにも当てはまらないものです。このページで紹介しているのは、あくまでもレトリック用語としての「aporia(アポリア)」です。アリストテレス以来の、哲学用語としての「aporia(アポリア)」とは異なるものです。
以上のことを、ご理解しておいてください。