どうせ私は
へんな女よ
みえっぱりだし
ワガママだし
うそつきだし
計算高いし
強欲だし
さぞがっかり
させたでしょうよ
2つ目の例文は、『彼氏彼女の事情』1巻から。
主人公は、宮沢雪野。高校生。
雪野は、とてつもなく見栄っ張り。学校では優等生を演じているけど、実際は
- 「上品なワタシ」はただのソトヅラ
- -(略)-
- ほんとの私は
- 誰より人に尊敬されたり
- アコガレられたり
- 特別扱いされたり
- ちやほやされたり
- 一番をとるのが好きなだけの
- 「見栄王」なのです…
と、10ページで言っています(ここで太字にしたところも、「列挙法」になっています)。
それでもって、本題となっている例文のところ。「見栄王」だという正体がバレてしまって大変なことになっているのが、例文のシーンです。
そこで使われているのが、
みえっぱりだし
ワガママだし
うそつきだし
計算高いし
強欲だし
というやつ。
まさに、「列挙法」として例文に使うために書かれたのではないかと思うほど、スマートな「列挙法」です。
念のために、解説しておきます。
この例文での、「上位にある1つの概念」。それは、雪野が自分に対して思っている「見栄王」であるという性格。
そして、この「見栄王」であるということの「下位にあたることば」。それが、「みえっぱり」「ワガママ」「うそつき」「計算高い」「強欲」といった感じで並んでいる。つまり、この並べられたことばが、「見栄王」であることの証拠というわけです。
このように、一つのものを表現するために同じような言葉をいくつも積み重ねていく表現が、「列挙法」になります。
つけ加えておくと。
『彼氏彼女の事情』という作品には、とても多くのレトリックを見つけることができます。レトリックだらけです。