- まずはじめに。「ハンバーガー(hamburger)」という英語の単語があった。
このhamburgerという単語は、hamburg+erという切れ目のあるものだった。
([hamburg=ハンブルグ]、[er=っぽい感じのするもの]という音節だったということ)
- なのに。
この「hamburger」という単語のうち「ham」の部分が、食べ物の「ham(ハム)」と似ていた。
- そこで、このhamburgerという単語を、「ham」+「burger」と区切ってみた。
このため「burger」が、「なにかを間にはさむ食べ物」という意味でひとり歩きをはじめた。
- そのうえで「ham(ハム)」という部分に、同じく食べ物をあらわす「テリヤキ」に入れかえた。
- その結果。「テリヤキ」+「バーガー」=「テリヤキバーガー」という単語がつくられた。
こういったプロセスでもって、「テリヤキバーガー」という商品の名前がつけられています。ですので、この例は「異分析」だということができます。
なお、この例については『新語はこうして作られる〈もっと知りたい!日本語〉』(窪薗晴夫/岩波書店)によります。
- 「異分析」の細かい定義
- 「異分析」は、イェスペルセンをいう人が作り出したレトリック用語です。
その説明は、次のとおりです。- 語、あるいは語群が、ある時代において、前の時代までとは異なったふうに分析されるようになっている現象に関して、もっぱら、言語の歴史的変化の説明に用いられている
- 『グラマー・テクスト・レトリック』(安井泉[編]/くろしお出版)より抜粋
このように「異分析」は、もともと時代の流れにしたがって起こる現象を指していました。ですが現在では、「ことば遊び」のような同じ時代で起こったものについても、「異分析」に含まれます。