もっと長い「回文」になると、土屋耕一氏の作品。『ことば遊び—ことば読本—』(谷川俊太郎ほか/河出書房新社)のうち、阿刀田高氏の書いている「回文」の章を見てみると…厳い祭礼、晴着纏いて来し。山車を皆と曳き出す。可成揉むが御神輿か、降し止み、時経つも釣普及懇親会は司会者懊悩、本意なし。郷土舞踏も済みて着換え終り、待つ後開かれ、今宵好い機会、夜も農村映画や御神楽愉快か酔い痴れ、嬉しい夜、階下揺らぐ顔。野外演奏の催しいよいよこれから、人集り輪を描きて見、相撲と武道、予期しない奉納を香具師活かし、拝観進行。雪降り積った帰途御社を畏み拝む杜中、集き、人波押し出し来ていと紛れ、拝礼再開。
読みかたは
イカイサイレイ ハレギマトイテキシ ダシヲミナトビキダス カナリモムガオミコシカ オロシヤミ トキタツモツリフキユウコンシンカイハシカイシヤオウノウ ホイナシ キヨウドブトウモスミテキガエオワリ マツアトヒラカレ コヨイヨイシオ ヨモノウソンエイガヤオカグラユカイカヨイシレ ウレシイヨ カイカユラグカオ ヤガイエンソウノモヨオシイヨイヨコレカラ ヒトアツマリワオエガキテミ スモウトブドウ ヨキシナイホウノウオヤシイカシ ハイカンシンコウ ユキブリツモツタキトミヤシロオカシコミオガムモリナカ スダキ ヒトナミオシダシキテイトマギレ ハイレイサイカイ
もはや、これが「回文」であるかどうかを判断することさえ難しい。私(サイト作成者)はサイトをつくっているという立場上、ねんのため「回文」だということを確認しました。ですが、同じことをする必要はありません。ただ、この「回文」の長さに圧倒されます。それで十分です。
なお「ツ」と「ッ」、「オ」と「ヲ」と区別していませんが、それでかまわないというのは、現在も同じです。